そんな、妙香山一番の見所といえば、ここ国際親善展覧館。少なくとも朝鮮人はそういう風に思っているのではないだろうか?「国際親善展覧館」何が国際親善なのかというと、金日成主席が世界各国から頂いた贈答品の類を収めてあり、ここにいれば朝鮮にいながらにして世界の文化がわかる…、とまぁそんな趣旨らしい。平たく言えば、金日成主席への献上品コレクションな訳だが、これを個人資産ではなく、国家の資産としているところが、これまた金日成主席の素晴らしいところらしく(この場合、個人資産と国家資産にそう大差ないと思いますが)、金日成主席の人徳のなせる業ですな、ということらしい。中に入るときにカメラは没収されるので、中の展示品は撮れなかったが、なにやら色々面白いものがあるらしい。が、色んな人にコケにされて、あまりそういう所に観光客を連れて行かなくなってしまったのか、私には普通の贈答品コレクションにしか見えなかった。アントニオ猪木の贈ったミノルタだかニコンだか普通の一眼レフカメラとか、そんなものまでご丁寧に飾ってあったけど。あとは、金丸信の知名度がこちらではかなり高いのには、ちょっと驚き。しかし、一番の贈答品はやはり…、金日成主席の蝋人形。中央に蝋人形が鎮座しており、部屋には音楽の調べが。そして、あまりにリアルな蝋人形。ここで、観光客ともども、金日成主席の「蝋人形」に向かって、敬意を表し一礼をする。何とも表現しがたい。そんなこんなで、だだっ広い展示場内をぐるっと回って出てくると、今度はその反対側の同じような建物に連れて行かれる。終わったと思ったら、今度は金正日総書記のコレクションの番で、こちらのコレクションは今もって現在進行形であり、律儀にも献上品を送られた国をハイライトした世界地図と世界中から贈られた贈り物の件数が表示されていた。蝋人形は無いが大きな石像を前にこちらでも一礼。
展示場内は、多くの部屋に区分けされているのだが、電力節約ということか、部屋に入るたびに電気をつけ、出て行くと消えるようになっているらしい。しかし、時々それがうまく作動せずに、まだ部屋に残っているときに、電気が消えてしまうことも。私はガイドさんに「いやぁ、こんな広い暗闇に閉じ込められると怖いですね」というと、ガイドさんは真剣に「お客さんが暗闇の中で動いて展示品を傷つけないかの方が心配ですよ」と言っていた。またガイドさんによると、とある観光客は「このコレクションをただガラスケースの中に入れておくだけでなく、この展示場の建物ごと大きなガラスケースの中にしまっておきたいですね」と言ったらしい。そのような機転と表現力を見習いたいものだ。しかし、Samsungの馬鹿でかいテレビとかはまだしも、PING EYEのアイアンセットとか、Power Macとかまで、そんなコレクションに入れないでも良いのでは…。